この記事では、私が実際に行った築46年の中古マンションリノベーション。ビフォーアフターをご紹介するとともに、工事の流れや費用、リノベーションによくある注意点についてお話しします。
はじめましてTerA(テラ)と申します。
北海道札幌市に在住。2021年に中古分譲マンション購入を機に、「もっと日々の暮らしを丁寧に生きてみよう!」と思うようになりました。
ボロボロの古臭い中古マンションは初見でどうなることかと不安に思ったこともありましたが、作りたい家のイメージを漠然と抱きつつ、リノベーションが始まりました。
この記事はこんな人に読んで欲しい
・中古マンションを探している
・リノベーションに興味がある
・DIYをしてみたい
・中古マンションでリノベーションを検討中
・リノベーションにかかる費用が気になる
「家はもう何軒も持っています」という人以外は家を購入するにあたって、初めて経験することが多岐にわたります。
不動産売買契約、住宅ローンの契約、施工会社との契約、固定資産を取得する事について…。
日々覚える事や新たに勉強することで、時間があっという間に消費されていく。
契約系の話は、この記事では割愛させていただきますが、まずは下記の流れで進みます。
①物件を探す
②気に入った物件があったら仮契約
③住宅ローンを組む/施工会社の選定
④住宅ローンの融資が実行になったら本契約
⑤施工開始
⑥最終確認などを経て引き渡し
↓↓↓購入前に確認すべきことはコチラの記事にまとめています。↓↓↓
リノベーションにあたって重要視していたのが「物件の広さと内装のデザイン」です。
約71㎡の4LDKがベースのこの古臭い内装をどうカッコよくしていくのか。
予算も限られているので、全てを業者任せにするのではなく「自分で出来そうな部分はDIYしてみよう」「せっかくの自分の家なんだから家造りに参加してみよう」と決め、このリノベーションは始まりました。
体験談|4LDKだった間取りを1LDKに変更
ひろーいリビングへの憧れから下記のような間取りに変更しました。
施工会社の選定は仕事の付き合いがある住宅メーカーが第一候補でありつつも、いくつかの業者さんに見積りをお願いしました。見積りを見比べた結果、最終的には第一候補のところに決定。
そして早速の問題発生。我が家の場合は物件が古かったせいもあって、建設時の図面がなかったのです。(古い物件ではよくある話らしい。)
そこで、まずは図面を自分で作成しなければならないところからスタート。
(この時点で家の図面など作ったことなどありませんでした)
当然施工担当者にリノベーションの図面の有無を確認しましたが、元の図面がないと出来ないとのこと…。「え?大丈夫?」と心の中で思いましたが、もうリノベーションはスタートしていたので、しかたなく自分でやってみることにしました。
水まわりの変更は大きな費用が発生するとのことなので、可能な限り配管などをいじらないように気を配って製図する。
図面を作ると言っても元々の間取りの画像をトレースして、イメージの間取りに作り変えていくというやり方をとってみました。
マンションリノベーションを検討されている方の中には、「ラーメン構造」「壁式構造」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
構造の違いにより、リノベーションのしやすさも変わってくるのです。
壁式構造だと壁が部屋を支える役割になっているため、間取りの変更が不可能であるのに対して、ラーメン構造は柱と柱の間を水平につなげてかけている「梁」によって支えられているため間取りの変更は容易です。
この理由ゆえ、リノベーションを検討する際には「ラーメン構造」がオススメ。
我が家の場合はラーメン構造で、好きなだけ壁をぶち抜き放題だったのもあり、寝室以外のLDKを全部くっつけてリビングスペースを広々とした1LDKにしました。
リノベーションは大きく分けて5段階の工程
ここからは当マンションリノベーションの工程を当時の写真と共にお送りいたします。
1. 養生と解体
工事開始前に必ず行われるのが「養生」です。
マンションのエントランスやエレベーター、廊下などマンションの「共用部分」に傷をつけないよう、マンション入口から現場まで専用の資材で保護します。
この時期の工事の見どころは何と言っても解体。
ここを逃すと一生、コンクリートそのままの躯体を見る機会はありません。
ちなみに物件が解体されている間にも床材や壁紙やコンセントやスイッチなど、ありとあらゆるものを選定するという作業が同時進行で行われます。
無数に存在するこれらの資材から、自分の好みを選びぬいていくのはなかなか大変なことですが、家造りには必ず必要な工程です。是非楽しんで選定しましょう。
2. 大工工事
工事開始からココまで約3週間
解体が終わったあとの室内はある意味圧巻です。ここから間取り変更に伴う大工工事がスタート。
軽量鉄骨または木材で、壁や天井の下地を大工さんが組みます。
「テレビをやっぱり壁掛けにしたい」「後々、壁に棚を取り付けるかもしれない」とお考えの際は、このタイミングで下地を補強(木材を壁の中に入れてもらう)してもらいましょう。
挨拶がてら、大工さんへ飲み物を差し入れたりする人も多いようです。
自分もその先駆者に習ってよく差し入れを持っていきました。
やっぱり気持ちよく仕事に取り組んでもらいたいので。
3. 内装工事の下地準備
工事開始からココまで約40日
部屋の骨格を組んだあとは石膏ボードなどを貼り、壁の下地を作ります。
この頃までにはコンセントの数や位置、スイッチの数や位置、ダウンライトを取り付けるならその場所など、細かな設備もしっかりと決定している状態で迎えます。
間取りが完成して、広さの感覚がわかるようになります。
4.「床」「壁」「天井」の仕上げ
工事開始からココまで約1ヶ月半
リノベーション工事のなかで一番感動するのが、この時期ではないでしょうか。
日を追うごとに内装工事が進み、床材が貼り終わった頃には見違えるような現場になっているはずです。大きな設備も細かな設備も順次設置されていき、完成はもう目前です。
5.美装と施主検査
「美装」は、工事の終わりに家のなかを綺麗にすること。養生を全てはがし、家中を掃除します。
また取り付けた建具や設備に不具合がないかについても、このタイミングで最終調整。
問題ないことを施主も一緒に確認し(施主検査)リノベーション工事が終わり、引き渡しとなります。
この美装なんですが、専門業者の料金がかかります。我が家の場合で5万円くらいの見積りでした。
物件の広さによって金額が変動するので、広ければ広いほど料金は上がります。
美装をケチるのはオススメしませんが、予算の都合で自分でやっちゃいました。
ロボット掃除機と、普通の掃除機と、大量の雑巾や天井を拭ける用のワイパーや窓拭きワイパー…。
数々のお掃除用具を駆使してひたすらピカピカに。(しかしプロにはかなわない。)
我が家の場合は見積りにこの予算が入っていなかったので、この時点での出費に躊躇してしまったわけですが、予算をしっかり組んでプロにお願いすることをオススメ致します。(とても疲れました。)
自分でDIYした箇所
ここからはリノベーション工事の最中に実施したDIYを紹介します。
1.建具2枚
元々付いてた引き戸の茶色い建具はリメイクしようとマンション購入を決めた時から考えていました。
リビングのメインに使用した建具は“LIXIL ラシッサD ヴィンティア”。
(ちなみに建具もネットで購入して施主支給でした)
これに一目惚れ→即決したので、これと同じような色味のペンキを購入しました。
設置方法は“ZEKOO 吊り引き戸レール バーンドア金具”を別途購入し、DIYにて施工。
扉自体がしっかりしたもので重かったですが、ひとりで完成できました。
DIYするにあたってけっこう細々とした工具も買い揃えましたが、電動ドライバー的なものは必須かと思いますので、お持ちでない方はまず電動ドライバーを強くオススメします。
普段遣いにもとても便利な電動工具です。
↓↓↓DIYにオススメな電動ドライバーの記事はコチラ↓↓↓
2.窓のリメイク
障子がベリベリになった格子窓もリメイクを最初から決めていた箇所です。
まずは障子をキレイに剥がしたら、木枠を黒ペンキで塗装します。
ターナーのアイアンペイントは、塗った箇所が鉄みたいな触り心地になる、
インダストリアルなデザインによく合うオススメの塗料。
塗料が乾いたらポリカーボネート(曇ガラスのような模様が入ったプラスチックのような質感)を障子が貼ってあった箇所に合わせてカットし、タッカーで固定します。
ポリカーボネートは耐熱温度120℃~130℃、耐寒性については-100℃程度と樹脂の中では高温域の耐性を持ちます。
丈夫でありながらも加工はしやすく、二重窓のような構造から断熱性にも期待できます。
この縦に入った模様がまた“LIXIL ラシッサD ヴィンティア”と同じような雰囲気でいい感じ。
他の窓枠も濃い茶色→黒に塗装します。
格子窓×2枚+その他の窓6枚で、2日くらいかかりました。
3.シューズラック
稼働棚でシューズラックをDIYしました。材料はホームセンターで全て揃いました。
こういう壁にビスを打ち込むタイプのDIYは注意が必要で、壁の中に配管や電気線など傷つけてはいけないものが入っていないか、棚を設置した際の重量に壁が耐えられるかの判断が必要になります。
我が家の場合、配管などの場所は解体の段階である程度把握してあるので問題なかったのですが、もしご自宅でやってみたいと思われた方は壁の中の下地の位置がわかるレーダーなどのアイテムを利用されてみてはいかがでしょうか。
↓↓↓DIY可動棚を設置した記事はコチラ↓↓↓
4.ハンガーラック&棚
ウォークインクローゼットには、この無骨なパイプを両面に取り付けました。
耐荷重約60kgですので、見た目も好みなうえに十分な耐久力でお気に入りです。
こちらももちろん壁を取り付ける段階でしっかりとした下地を入れてますので安心。
その上にさらに棚をDIYにて設置しました。
↓↓↓ウォークインクローゼットをDIYした記事はコチラ↓↓↓
5.ダブルベッド
これは家本体のDIYとは少し違いますが、ベッドもDIYです。
素材のメインは“余ったアカシアのフローリング材”。
床材って多少多めに注文するのが当たり前らしく、結局3ケースほど余りました。(1ケース10枚入り)
せっかくお気に入りの床材なので、これを素材に何か作れないものかと思案を巡らせた結果こうなりました。
出来栄えはとても満足しております。ギシギシ鳴ったりもせず、グラグラもせず、ベッドの下はロボット掃除機が入っていける高さにしたのでベッド下はいつもキレイ。
こういう細かい配慮を自分で設定出来るのはDIYの良いところですね。
ただ、そこそこの量の床材をキレイにカットするにはやはり電動工具の力が必要になり、これをきっかけに丸ノコを購入しました。
↓↓↓ベッドをDIYで制作した記事はコチラ↓↓↓
↓↓↓オススメの小型丸ノコの紹介記事はコチラ↓↓↓
リノベーション後に家具を配置
引き渡し後に家具を配置。(入居当初でまだまだ乱雑ですね。。。)
総合的にとても満足のいく出来栄えになりました。
後半はほとんど毎日現場に通い、大工さんと雑談しながらDIYしたりしつつ家造りに参加することもできました。
予算の都合上お風呂を変えることが出来なかったのですが、しかたのないことなので予算が出来たらまた考えようと思います。
マンションリノベーションの費用相場
「リノベーションがどんなものなのか」「どういう流れで工事が行われるのか」ご理解いただけたでしょうか?
ここで気になるのが「費用」。
マンションリノベーションの費用相場は500万円〜1500万円といわれています。
我が家の場合、施工箇所は4LDKの解体〜再構築、水まわりの床貼替え、玄関の床貼替え、キッチン新調、新品エアコン設置などなど、ほとんどフルリノベーションをしましたが、色々な知識や人脈や交渉を駆使して施工費用は500万円ほどでした。
施工会社様、大工さん、携わっていただいた方々にはとてもとても感謝しております。
マンションリノベーションの注意点
最後に実際に感じた注意点をご紹介します。
1.業者の選定
リノベーションの業者選びは、リノベーションに強い業者さんを選ぶのをオススメします。
(あまり詳しくない人や時間がとれない人は特に)
我が家の場合は知人の住宅メーカーにお願いしましたが、予算を切り詰めるために自分で作業をこなすウエイトがかなり多く(ほとんどの資材や機材を自分で発注したり)、ホントにこのまま進んでいいものか迷ったりすることもありました。
そもそもリノベーションに強い業者さんであれば、最初の段階で多くの施工事例と実績を持たれているので、よほど何か理由がない限り(我が家のように)は専門業者をオススメします。
っといっても予算の都合もあるでしょう。
自分の予算にもセンスにもあった業者選びはひとつの難関になるかもしれません。
2.予算の管理
すべて終わってから、気づいたら予算が足りない!
なんてことがないように予算に余裕をもった資金計画が大事。
我が家の規模でも最低30~50万円くらい、できれば100万円くらいの余裕をしっかり持っておいたほうが安心でしょう。
特に中古物件のリノベーションとなると、解体後に予想外の構造になっていることがあとから発覚したり、補強が必要な箇所が新たに出てきたり、途中で「やっぱりこんなの造作してもらいたい」、など様々な理由で別途費用がかかったりします。何をするにも費用はかかりますので、余裕をもった資金計画を。
3.報告、連絡、相談、確認
最低でも内装工事が始まる前までには計画を確定させましょう。
リノベーションの場合は解体後も状況に応じてある程度の計画変更が予定されています。
可能な限り現場は確認されることをオススメします。
設備の設置に関しても基本的にはすべて自分で確定させていくことになりますが、「担当者さんと打ち合わせしたが、現場に伝わってなかった」や「思っていた感じと違った」など「過程ではやっていた」、「伝えていた」としても、結果思い通りにならない場合があります。
あとから嫌な思いをすることを考えれば、修正が効く段階で方向転換できるよう可能な限り確認作業を怠らないようにしましょう。
また資材や設備に関しても業者さんや担当者さん次第で持っている知識に違いがあります。
人間なので当然のことですが、いくらプロとはいっても無数にある資材や設備をすべて把握しているわけではありません。
理想を現実に変えていくためには、自分でもそれなりに勉強するなどの努力が必要になることも。
業者さん任せではなく、場合によっては一部設備を施主支給(自分で設備をネット等で購入して取り付けてもらう)にするなどの方法も視野にいれて計画しましょう。
いずれにしても自分のイメージを他者といかに共有できるかは理想の具現化にとても大切な要素になりますので、曖昧な表現や雰囲気ではなく、はっきりとイメージ共有できるよう努めましょう。
我が家の場合は、そもそも図面からほとんどすべてのイメージや設備を自分で用意したので、ほぼイメージどおりの完成となりました。
築46年のマンションリノベーションまとめ
幸い大きなトラブルもなく、概ね思い通りのリノベーションが完了できましたが、それでもこうすればよかったと思う部分もいくつかあります。
この記事を読んでくださっている方が同じような後悔をしないよう、失敗談も合わせてご覧ください。
↓↓↓リノベーションの失敗談はコチラ↓↓↓