いつの間にかよく耳にする「リノベーション」という言葉。省略して“リノベ”といわれることもあり、ずいぶん身近な存在になりました。
でも実際にリノベーションをすることが身近になったかというと、知り合いにリノベで住み替えたという人はまだ少ないのではないでしょうか。
私のまわりでもリノベ物件に住んでいる友人知人は少ないです。
試しにTwitterでアンケートをとってみたので、参考にしてみてください。
そこで今回はリノベーションが注目されている理由、そして私がリノベを選んだ理由のまとめ。
今住宅購入を考える人たちがリノベーションに注目する5つの理由をご紹介させていただきます。
リノベーションが注目されることになった社会事情や時代背景も掘り下げていくと、納得の理由ばかり。住宅購入を踏み切る前に、備えておきたい知識としてご利用ください。
社会情勢の変化にともなう住宅需要の変化
総務省が2022年に公表した人口推計によると、総人口は前年比64万4,000人減の1億2,550万2,000人。11年連続の減少となり、減少幅は過去最大となりました。
65歳以上の人口が、全人口の28%を超える「超高齢社会」に突入。
高齢化や人口減少は、日本各地に空家問題をつくり、行政の運営や街づくりにも大きな課題となっているため、国も積極的に中古物件の流通を推し進めようと動いています。
それと同時に、「新しい家が良い家」とする“新築至上主義”も、家が余る時代背景と共に緩和しています。
家を持つことそのものに価値がある時代は終わり、新たに「私らしく暮らせる家」であるかどうかが、住まいに問われる時代となったのです。
文化やシステムの変化
私たちの価値観や暮らしを支えるシステムも、かつてと比べると大きく変化しました。
ひとつは環境問題への取り組みです。限られた資源を大切に使いながら、持続可能な社会をつくろうと、SDGsへの取り組みに活動的な企業も増え続けています。
リサイクルショップや古本を有効的に再利用する活動などにもみられるように、まだ使えるものを必要とする人に使ってもらうシステムは今の我々にとって、あって当たり前のマーケットになっています。
ネットオークションやオンラインマーケットは、私たちに買い方だけでなく売り方も含めて、「モノとどのように付き合うか」を教えてくれるようになりました。
働き方に関しても終身雇用の時代は終わりを迎え、より自由に報酬を得て生きていくライフスタイルが注目を集める時代となりました。
リノベーションに熱い注目が注がれる背景には、古いものの中に価値を見出すまなざしが社会全体に育まれたことも影響しています。
住まいの価値と人の変化
大きな時代の変化の流れの中で、住まいを探す私たちも、住まいを提供する専門家も、それぞれ変化しています。
その変化が、リノベーションに注目を集める理由を生み出しているのです。
・変化した世帯像
・自由な働き方への変化に対応する住まいへ
・より個性を大切に、発信していく生き方
・「新しい家の価値」より「住みたい家や街の価値」
・デザイン性豊かで自分にあった住まいを提案する専門家の変化
住まいそのものの価値が大きく変化の渦中にあり、またそこに住む人の価値観も多様に変化しているのです。
リノベーションを選ぶ人たちが注目する5つの理由
リノベーションを選ぶ人はこんな人が多いのではないでしょうか。
1.変化した世帯像
多様な世帯像に応える必要が、今住まいに求められています。
ひと昔まえの日本では想像もつかなかった離婚率の増加は今「夫婦の3組に1組が離婚している」と言われています。つまり一人暮らしの人口も増加している中で、家族向けに設計されていることが多い中古マンションは、多様化する世帯にマッチしていないのです。
そこで壁の増減、床の張替、水回りの設備、変更までトータルに理想を叶えてくれる「リノベーション」が注目されることとなりました。
よりコストパフォーマンスに優れた理想の住まいを手に入れられる可能性が注目の理由です。
2.自由な働き方への変化に対応する住まいへ
働き方に関しても多様に変化している現代、自宅をワークスペースとして利用する人も少なくないでしょう。または、ワークスペースとして事務所代わりに別途マンションを使用する人もいるのではないでしょうか。
そのくらい働き方も報酬の稼ぎ方も人それぞれ。
昔のように仕事といえば毎日会社に通うのが当たり前ではない時代なのです。
自分のライフスタイルにあった住まいを実現できるひとつの選択肢として、リノベーションはその価値を見出されました。
3.より個性を大切に、発信していく生き方
ひと昔前までは「注文住宅でない限り、家は自由に作れない」とされてきました。
ですがそれはもう昔の話です。
マンションも戸建てもリノベーションの自由度は格段に上がり、内装は自分好みにカスタムできる時代になっています。
それと同時に、皆と同じような慣習に飽き飽きした人が増え、住まいにも多様性という言葉が使われるようになりました。
SNSの流行や動画やブログ、配信サービス等さまざまなアプリケーションで自己発信が可能な今、他者とは違う自分の好みやこだわり、価値観を発信していくことも、ひとつのライフスタイルとして確立しているのではないでしょうか。
4.「新しい家の価値」より「住みたい家や街の価値」
かつての新築至上主義の時代は、新築であることが一つのステータスでした。中古物件の流通が不透明だったことや融資がつきづらい環境だったこともあり、住まいの場所を選ぶよりも、新築の家を探して、より遠く郊外へと移り住んだ時代でした。
しかし現在は「私らしく暮らせる家や街」が求められています。職場からの距離だけでなく、家族や友人との距離感や、趣味を楽しめる環境なども重視されます。
そのような条件を総合すると、選択肢は絞られてきます。思いがけず希望の条件を満たす物件に出会えても、想像以上に傷んだ中古物件…ということもしばしば。
そこでリノベーションの力が発揮されるのです。リノベーションを請け負う会社は、物件選びからサポートしてくれるところもあります。リノベ後の住まいを想像しながら、基礎や構造を確認しつつ希望を叶えられる物件に出会えるかもしれません。
多くの物件の中から「住みたい家」「住みたい街」の希望を叶える1点モノを手に入れるには、リノベーションは最短で最良の方法になりえるのではないでしょうか。
5.デザイン性豊かで自分にあった住まいを提案する専門家の変化
住まいを購入したいと考える時、どんなインテリアのイメージを想像しますか?
インダストリアルな渋めのインテリアは、男性にも女性にも人気です。シャビーシックなアンティークに囲まれる暮らしも素敵ですね。和モダンでシンプルライフを貫くもの粋です。
かつてはこんなインテリアの希望を叶えるには、建築家に注文住宅を建ててもらうしかありませんでした。マンションの場合は、新築の内装を全て取り払って改装するという驚きのエピソードも聞きます。
でもリノベーションは、希望のインテリアを手に入れるというハードルをグッと下げてくれました。
それも、ひとつひとつこだわりを持って家造りをするという醍醐味を味わえるのです。
リノベーションも含めてパッケージでローン融資を受けられる金融機関が増えたことも人気の理由でしょう。
私が中古マンションリノベーションを選んだ理由
中古マンションリノベを選んで理由はこちらで紹介します。
支出のコントロール
手頃な価格の中古マンションを購入し、住居費を節約することが最初の目的でした。
年齢的にも若くないので、先々を考えた人生設計をそろそろ確立しなければと考えたんですね。
つまり終の住み家になるかもしれないと思ったんです。
住居費というのはなかなか下げるのが難しい出費ではないでしょうか。
「今まで住んでいた家より狭いのは嫌だなぁ」「住居費を下げたいけど、どうしても希望の条件にあった物件がない」など悩ましい案件です。
それを解決してくれたのがリノベーションでした。
- 今まで住んでいた賃貸物件よりも住居費を下げることに成功
- 今までの物件よりも広い面積
- 終の住み家としては十分満足できると思えたこと
私にとってのリノベーションはメリットだらけでした。
内装に思う存分自分らしさを出したい
家を買うと決めたときから、戸建ではなくマンション一択でした。
理由は前述したとおり、そもそもそんなに家にお金をかけるつもりがなかったから。
無理して家を買って生活が辛くなったら本末転倒です。
身の丈にあった住まいの中で自由に趣向を凝らしカスタムできる。
十分に私の欲求を満たしてくれた我が家は大好きな場所です。
好物件との出会い
コンクリートRC造のマンションの耐用年数は47年と言われていますが、「寿命」は65年以上とも100年以上とも言われています。
「マンションは管理を買え」とも言われますが、事前に管理状況を開示していただけたのも好印象でした。大規模修繕もしっかりと計画的にされていて、住民の方々も大切に住まわれているようで、安心感があったんですね。
我が家は築46年のマンションですが、外観に多少の古臭さはあっても、きちんとキレイなエレベーターが付いてたり、マンション内も常に清掃されていてキレイです。
また商業区域ということもあり、スーパーやドラッグストア、公共交通機関もすべて徒歩数分以内。
近所に飲食店やパン屋さん、ケーキ屋さんなどお店も多く、活気のある地域です。
学校が近くにあることもあり小さな子どもの笑い声が聞こえてきたり、ファミリー層も多くとても健康的な地域だと感じています。
もちろん他にも物件探しはしていましたが、中古物件との出会いは運命とはよく言ったもので、ほとんど即決で決めました。
リノベに関するアンケート結果
Twitterで身近なフォロワーさんにアンケートを実施した結果をご覧ください。
ご参加してくださった方々は20代〜40代のファミリー層が多かったように見受けられます。(※全ての方の属性はSNSなので把握できていません。)
印象的には約半数が戸建て派が根強いように感じますね。
その理由は
・コロナ禍の備えとして隔離スペースが作れる安心感があった。
・家族それぞれのプライベートスペースが作りやすい。
・庭で焚き火がしたかった。
など、これもまた時代に影響を受ける意見が多かったのに対し
・戸建てに住んでるけど、子供に薦めるなら賃貸。
・戸建てを購入したけど家計への圧迫に困っている。
・賃貸で色んな所に住んでみたい、転勤族でも安心。
以上のような意見も見受けられました。
リノベーションに関する質問も多数いただきましたが、この記事でも書いているので割愛させていただきます。
リノベーションが人気の理由まとめ
社会や時代の変化と共に、リノベーションがなぜ今注目されているのかをご紹介しました。
リノベーションは単なる流行の住まいの選び方ではありません。日本の社会が抱える社会問題や街づくりの課題などと深くつながりのある選択なのです。
古いものに価値を見出し、手を加えて新たな価値を加え、自分らしさを尊重して生きる暮らしがリノベーションにはつまっています。
そして多様化する私たちの生活様式にとって、リノベーションは住まい選びの選択肢として重要なひとつとなっています。
自分らしさをつめこんだライフスタイルを送る第一歩として、リノベーションにはまだまだ夢があるのではないでしょうか。